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2007年12月23日

日本企業はバイアウトで再生するか

最近読んだ本についてのコメントを更新しています。

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真山 仁 『ハゲタカ(上・下)』講談社文庫・2006年

NHKドラマの「ハゲタカ」がイタリア賞を受賞された記念に総合テレビで再放送されています。

タイトルから分かるように、企業買収・再生をテーマにした小説です。
NHKドラマでは、柴田恭平さんや大森南朋さんなど演技派の俳優さんが演じ注目を浴びました。

ドラマでは企業買収に関わるプレイヤーの人間関係がフォーカスされていますが
真山さんの原作では、投資ファンドの主人公を中心に、敵対するファンドとの攻防や
日本企業の古い体質・隠ぺい工作や経営陣の不正、買収に関わる雇用問題、
国防に関わる問題など、きれいごとだけでは済まない陰の部分にも力点が置かれています。
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私の世代は、

バブル経済全盛期に社会人デビューを果たし、20代も終盤になって
自分のキャリアを固める時期に、金融業界の破綻を目の当たりにし、次にはネットバブルを経験、
ライブドア事件の頃には、早い人は経営陣などの要職となっています。

こういう世代の私が「ハゲタカ」を読む・観るのは、ある意味では”しんどい”ことです。

「経済一流」と世界に評され、いざ就職してみると、社内には古い体質を背負った
”旧勢力”の壁があり、外には政治と経済とで”なんか裏でやってんだろうなー”といった
言いようのないグレーな雲を感じてきています。こういう社会人としての歴史から、
  自分のキャリアは、目の前に立ちはだかる壁から自分の力で守るしかない
という意識をいやがおうでも持たざるを得なかった。

私たちの次の世代は、私たちが社会人としてリアルタイムで経験したことを、漠然とした知識で
知っているので、悪く言えばさめているし、良く言えば冷静・客観的に対峙しています。
でも私の世代はそこまでドライになれないのです。
家族経営の良い面も知っているし、先人の素晴らしさやノウハウの卓越さも分かっている。
だけども日本的経営の悪い面とは離別しなくちゃいけない。

この小説のテーマを考える時に感じる ”しんどさ”は、出口の未だ見えない”しんどさ”
にも思います。村上ファンドの買収行動や楽天の三木谷社長の戦略、最近徐々に
目立ちつつある大手企業によるITベンチャーの買収をみる時、同世代の優秀な方々が
必死にこの国を変えようともがきながら、突破口を見いだせず、依然として何かの壁にぶつかり
もしかするとこのまま経済の表舞台から去って行ってしまう日が来るんじゃないか・・・
そんな悲観論すら脳裏をよぎります。
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企業はM&Aでは強くなりません。
救済のためのM&Aは手段であって、数値上で健康体にするための西洋医学的な処方です。

西洋医学が不要だとは思いません。外科手術が必要な病気もあるし、東洋医学で
じっくり体質改善するような時間的余裕のない病気も多いです。
西洋医学の治療を受けながら、体質改善を並行して行うべきで
例えば、投薬を続けると臓器にも負担がかかるし、長い目での健康快復になりません。

真の競争力向上には、体質改善が不可欠なのです。
時間はかかります。
でも避けては通れない。

避けて通っていただきたくない。
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最近の食品偽造問題などは、ほとんどが内部告発と聞いています。
これは、象徴的な出来事だと受け止めています。
急に不正が増えた訳じゃない。古い体質では隠ぺいが当たり前だっただけです。

社内コミュニケーションによる企業体質の改善を弊社が進める理由もここにあります。
体質改善から目を背けるには、今の現役世代の意識は変わり過ぎています。

私の業界では、web2.0、エンタープライズ2.0など、流行りの言葉が存在していますが
「2.0」という流れの本質は、「モノを作れば売れる」という、マーケティングが存在する
必要がなかった高度成長期と真っ向から異なる動きです。
これは「顧客不在」という、過去の悪しき体質との決別の機会でもあります。

高度成長期の世代の方が、「2.0」という言葉に触れる時、誤解を生じていることがあります。
  『「2.0」という魔法の世界が存在し、その世界に飛び込めば、翌朝 会社がデカクなっていた・・・』
という甘い夢を語られることも多い。

   護送船団の銀行も潰れ、デフレも経験して、まだそんな甘いこと言ってんの?
  
と、現役世代からNGを突きつけられるのがオチです。

2.0という言葉の本質については また触れたいと思います。
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小説も、ドラマの脚本も、いずれも良く書かれています。
年末の図書orDVDとしてレコメンドいたします。特に経営層の方には。

投稿者 sakuma : 2007年12月23日 16:16

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