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2008年08月10日

IT革命とデジタルデバイド

『eの悲劇 -IT革命の光と影』 幸田 真音著


幸田真音さんは、ディーラーご出身の著名な経済小説家です。
ストーリの骨格をしっかり持ちつつ
現代の金融と社会のあり方に対して、問題提起をされる小説家です。


この本では
ネットを用いた風説の流布や、デジタルデバイド、今は昔となったY2K
などのトピックを軸に話が進みます。

今、印象に残るのは、アパレル会社をリストラされた男性が
ガードマンに転職してきて、セキュリティを維持するためのデジタル処理

に苦戦する様子が象徴的です。

リストラされた元・管理職サラリーマンは、インテリジェントビルのセキュリティに
右往左往します。自分がセキュリティ・ゲートを入る時のアクセスキーの入力、
無人監視する際の手順など・・・・

最初は、まるで自分で覚えようともせず、同僚に甘えるばかりでしたが
ある時、業を煮やした同僚に一喝されたのをきっかけに、必至で手順を教わり
自立していきます。


数年前、メール送信ができない管理職の方が、他の社員に

  僕は毎日メールを見る訳じゃないんだ。
  それを理解した上で動いてくれ

と一喝したことがありました。

この方は、他の会社の管理職も兼任されていたので、社員はメールに頼っていたの
ですが、それが問題になり、この時は、メール+留守番電話を使って
指示・報告が滞らないよう工夫をしていました。

ですが、もう今では、言い訳になりませんね。
むしろ、リモートで管理しなければいけない立場であるなら、余計に現場の方との
コミュニケーションは(メールも含め)自分から率先して進める必要があります。


小説の、元・管理職のサラリーマンも、自分の無知をなくそうと努力します。
できなくては、仕事にならないからです。

IT革命という言葉は、もう古くなりましたが
単純に便利になった、という側面の裏で、ITを使った日常生活にキャッチアップ
することを人間に強いてきます。

キャッチアップできなければ、「仕事人」というポジションから落ちこぼれる。
年代いかんにかかわらず、できなければ仕事が進まないのです。


格差社会の一側面がこの本には描かれていると感じます。


投稿者 sakuma : 2008年08月10日 10:00

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