KP社外ブログ TOP » レコメンドBOOK » モノづくりのこころ:常盤文克
2008年10月20日
常盤文克氏は、ご存じだと思いますが、花王の会長を務められた方です。
実業家としての手腕をかわれ、花王退任後、様々な会社の社外取締役を
お引受けされたり、精力的に本を執筆されています。
日本の製造業が今後どうなっていくのか?
天然資源をもたない日本は、「技術立国」として進化しなければいけない
―その命題を抱え、メーカー企業が担う責任は重い、という認識が本書のベースです。
本質的な議論では、皆さん異論はなかろうと思います。
でも、現実には
サービス業は常に価格競争という「敵」と戦いを強いられていますが
方や、メーカー企業ではどうでしょう?
常盤氏は
モノが飽和した現在、大量生産ではなく、独自の質を追求して売れるものを作る
と一貫して主張されています。
この時の「質」とは、品質や性能の違いという表面的なものではなく
感性に訴える側面を言っておられます。すでに現在は多少の機能差では価格競争から
抜け出すことができない、
収益性の低い事業を単に「リストラ」することではなく、本当の意味での「選択と集中」を
考えろ、と指摘されていますが、目の前の現実とのギャップは大きいです。
では、どうやって選択と集中を行うか?
これについて、常盤氏はまた別の主張で
「メーカーの仕事は、将来は研究開発とマーケティングに集約される。
どちらも設備投資や資金投下ではなく、人間の知識活動だけが成否を決する分野」
とコメントされています。
「ナレッジ活用」を標榜する弊社にとっては、我が意を得たり、です。
研究開発とマーケティングの距離を縮めるということは、社内の知見をこの2部門で
どう共有するか、という問題があります。
マーケティングは市場ニーズを探り、研究開発は1歩先・3歩先までも見据えた活動を
する必要があるため、時間軸が異なる中で、共有するのは難しい。
また、メーカーの製品は、販売窓口である流通が複雑多岐にわたるために、
顧客ニーズについて、情報収集が十分にできなかったり、Time to Marketと言っても
理念に終わってしまうことが往々にしてあります。
弊社では、疑似販売情報としての、WebトラフィックデータやCGMまわりの
分析結果を用いることを主張していますが、それで全て解決する訳ではありません。
おそらくは花王で行われたであろう、組織横断での”ワイガヤ”的なプロジェクトは
自動車メーカーはもとより、多くの企業さんで模索されていようと思います。
模索手段として、定着化されている手段です。
ナレッジ活用の視点では、大事なのは、ワイガヤの結果を残し、次なる企画の芽や
企画自体に落とし穴がないかどうか、を可視化するプロセスを補っていくことが大事です。
常盤氏の「知と経営」に関する書は、数多く
また別の機会でも取り上げたいと思います。
投稿者 sakuma : 2008年10月20日 10:00
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